トイレに神様…?
家づくりの際、配置場所にちょっと配慮が必要なものの1つに「トイレ」があります。
「トイレ」はその昔、「ご不浄」「厠(かわや)」「手水(ちょうず)」「雪隠(せっちん)」「憚り(はばかり)」
などと呼ばれていました。
現在でも「トイレ」「お手洗い」「便所」「化粧室」など様々な呼び方がありますが、
同じ様に「トイレ」に対するイメージもまた、人によって様々なのではないでしょうか。
近頃のトイレはとても清潔で、人によってはトイレが一番落ち着き、
中には読書される方もいますよね。
トイレのインテリアにこだわる方も多く、弊社のお客様もアクセントクロスや照明で個性を出す方が少なくありません。
でも昔ながらの考えで、「ご不浄はご不浄!」と、なるべく長居はしない、という考えの方もいらっしゃるかと思います。
トイレは他の部屋と違い、人に聞かれたくない音やニオイを発する場所であるため、配置には配慮が要ります。
例えば、人が集まりやすく食べ物を取り扱うダイニング・キッチンの近くは避けたいところです。
また、寝室に近すぎるトイレは、、深夜トイレに起きた際、流水音で睡眠を妨げられる心配があるため、
寝室から少し離して設計したり、配管の位置に気を付けたり、場所によっては防音対策を取った方がいいかも知れません。
(便器の「流し方」の種類の違いによって流水音の大きさはだいぶ違いますが。)
さらに忘れがちなのは、トイレから出ようとドアを開けたら、玄関に立つ来客と目が合って気まずい…。
なんて状況です。
安心して用を足せるようプライバシーに配慮した場所につくるようにしましょう。
ところでみなさんは、「トイレの神様」って居ると思われますか?
一般的には、烏枢沙摩明王(ウスサマミョウオウ)がトイレの神様だと言われています。
こちらの神様は炎の神様で、この世の一切の汚れを焼き尽くす功徳をもつと言われ、
「烈火で不浄を清浄と化す」神力をもつことから、心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる現実的な
不浄を清める功徳があると言われています。
トイレは古くから「怨霊や悪魔の出入口」と考えられていました。
そんな不潔で怨霊の侵入箇所でもあったトイレを、烏枢沙摩明王の炎の功徳によって清浄な場所に変える
という信仰が広まり、今に伝わっています。
トイレに神様がいると信じさせる事はトイレを清潔に保たせるための”作戦”かも知れませんが、
トイレをきれいに保つ事は、とても意味のある行為なのではないでしょうか。

